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[jfriends] HORBシンポジウム参加日記_2
Java互助会MLのみなさん、こんにちは。続きです。
ちなみに時刻ですが、記憶に頼ってますのでかなりアバウトです。
ごめんなさい。
- 9:50am ----------------
青山学院大学の井田教授の講演。HORB Openの進み方を考える例として、
井田教授がかつてかかわった Free Software Foundation の活動と、
Common LISP の標準化委員会の体験が語られた。FSFは、ストールマンの
個人商店であり、彼が右といえば右、左とい言えば左、マネージメント
というものを意図的に欠如させて運営しているらしい。Common LISP
の標準化委員会では、10年かけて標準化したが、当初の「実験的
仕様は入れない」というポリシーが崩れ、オブジェクト指向が取り入れられた。
標準化指向の委員が技術指向の委員に圧倒され、打ちひしがれて去っていった。
HORB Open はこの中間を目指すのが良いのではないかと言うのが井田教授の
意見らしい。聞いていて私(遠藤)が思ったのは、Linuxみたいなやり方があるの
ではないかということだ。特に Linux の精神、目指すものはとても参考になる。
- 10:00am ---------------
HORBの作者平野さんの基調講演。まず分散オブジェクト技術の動向について。
Microsoft の DCOMがシェアのほとんどを占め、デファクトスタンダードを狙っている。
残りをCORBAが標準化しようとしている。RMI、Voyager、HORB といった Java 専用の ORB
製品も存在する。だた、IIOP (Internet Inter-ORB Protocol) が、これら異なる
ORB の共通の転送規格になりつつある。Voyager はすでに IIOP を実装している。
RMI と HORB も IIOP の実装を表明している。
CORBAでは、IDL (Interface Design Language) という専用言語を使って
リモートオブジェクトを定義しなければならなかった。
同様に DCOM では ODL (Object Definition Language) を使ってリモートオブジェクトを
定義する必要があった。だが今後はIDLを書かずに、直接Javaを使って
リモートオブジェクトを定義できるようになりつつある。VisiBroker の java2idl や
Microsoft の COM+ などである。(NetscapeのCaffeineへの言及はありませんでした)
最後に、ORB などの性能比較ベンチマーク結果が発表された。
リモートメソッドとして int foo(int, int, int) を実行させた。
C Socket > Java Socket > HORB > RMI > VisiBroker > DCOM > OrbixWeb > Voyager
この順で高速だった。(詳細は http://www.cs.ucsb.edu/conferences/java98/papers/dots.pdf )
HORBの現状での問題点としては、ファイヤーウオールが超えられない、位置透過性に欠ける
(必ず相手ホストを特定)、などがある。前者についてはHTTPトンネリングを実装し試験中、
後者に関しては Objetct Trader で解決しようとしている。また、フォールトトレラント機能、
オブジェクト同報機能などが予定されている。聞いていて、ついに IIOP が使えるのか
と思った。これで相手がCORBAだろうがRMIだろうがVoyagerだろうが良いわけだ。ただし
実際に接続するとなるとかんたんにはいかないかも知れない。
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続く...
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遠藤靖之 (えんどう やすゆき)
E-mail: EYasuyuki@xxxxxxxxxx
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