[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[jfriends] OpenGL_Japanセミナー(6/16)の感想




遅くなってすみません。OpenGL_Japan セミナーの感想です。

NIFTY-Serve FJBUILDR から転載します。NIFTY で読まれた方は
ごめんなさい。

転載開始
=====================================================================
00121/00121 LDI04722  y.endo           RE:OpenGL_Japanセミナー(6/16)
( 7)   98/06/18 13:17  00103へのコメント

行って来ました。

|> 10:40〜11:30 「OpenGLの現状」SGI(米) John Schimpf

会場から、「OpenGL Optimizer 1.1 が発表になったが、今 Optimizer を使った方が
良いのか、それとも Fahrenheiht まで待った方が良いのか。われわれは二重投資
したくない」という切実な質問があり、Schimpf 氏がちょっと困っていました。
「今すぐリリースしたいなら OpenGL Optimizer を使って欲しい。無料だし、
Optimizer で覚えた技術は無駄にならない。ただし Fahrenheit がでたら書き直す
必要はある」だそうです。

|> 11:30〜12:20 「OpenGLプログラミングの実際(6)
|>                  シーングラフAPIの時代を告げるFahrenheit」
|>                  エヌ・ケー・エクサ 松本 昌幸

Fahrenheit は 3 つの API 群により構成されます。

1.Fahrenheit Low-Level API --> Direct3D の上位互換で、OpenGL の機能を取り込んだ
                               イミディエイト(直接)モード API。
                               Direct3D や OpenGLを置き換えるもの。
  リリースは 2000 年。

2.Fahrenheit Scine-Graph API --> Open Inventor, IRIS Peaformer, VRML のような
                                 シーングラフベースのAPI。COMの上に実装。
  リリースは 1999 年。

3.Fahrenheit Large-Model Visialization API --> 大規模視覚化用 API。
                                               2.のシーングラフAPIの上に構築。
                                               OpenGL Optimizer の技術を応用。
  リリースは 1999 年。

Delphi ユーザーに朗報。2.の シーングラフAPIは COM で実装されます。
Delphi から使えそうです。

でもわたしは COM/DCOM は死んでも使いたくないです。

あと、SGI と Microsoft の手打ちの意味ですが、双方にそれなりの事情があった
ようです。

SGI ですが、自社WSの落ち込みをカバーするため、Visual PC という Intel CPU
ベースの Windows NT マシンを作ろうとしていますが、Windows グラフィックの
根幹部分である DirectX 技術にアクセスするには Microsoft と Intel の協力が
どうしても必要だったということです。

Microsoft は、SIG の持つシーングラフベースAPIの技術や、OpenGL Optimizer などの
大規模視覚化技術が欲しかったということです。HP が進めていた DirectModel の
開発の遅れも影響しているそうです。

事実、HP は Fahrenheit へのコミットを表明しています。

|> 13:30〜14:20 「 Windows上の3Dグラフィックス環境 」マイクロソフト 森 栄樹

Direct3D の説明のところは、昼食後だったこともありついウトウトしてしまいました。

続いて行われた Crome というソフトのデモはすごかったです。
マイクロソフト嫌いの私でも、つい目を見張ってしまいました。

Crome はWebブラウザーの上で動く3D環境ですが、VRML と違って、閉じた3次元世界を
表現するものではありません。HTML や DHTML や XML ページと一体です。

たとえば、通常の Webページの上を3Dオブジェクトが動いて、ページの本文の上に
その物体の影が表示されるとか、Webページの上のExcelの表やグラフが立体的に
ローテーションしたりといったことが出来ます。

あと、3Dの物体のテクスチャーのように、Webページを貼り付けられるようです。

惜しいことに Microsoft Internet Exproler 5 でないと動かないようです。

また、Direct3D の技術は Windows デスクトップにも統合されるらしいので、
デスクトップ上のオブジェクトが3次元オブジェクトになっていたり、
PowerPointで Chrome の視覚効果が使えたりするそうです。

Windows にはもう興味無いですが、たとえば SEGA の Dreamcast でこれが動いたら
すごいと思います。iMac より売れるかも知れません。(ウソ)

|> 14:20〜15:10 「米国における3D API動向」米国グラフィックスコンサルタント
|>                 Dr. Jon D. Peddie

この講演は聞いて良かったです。OpenGL はごく一部のプロフェッショナル市場だけ
だそうです。
「フェラーリの技術でホンダが作れると多くの3Dボードベンダーが錯覚している」
「コンシュマー市場とプロフェッショナル市場はビジネスモデルが違う」
そうです。

|> 15:30〜16:10 「OpenGL Optimizerによる大規模モデル用プログラミング」
|>                  日本シリコングラフィックス・クレイ  桐井 敬祐

わたしにとって久々の 3DCG プログラミングの息吹でした。
Optimizer の Tesserater はポリゴンを削減してくれるので便利です。

|> 16:10〜17:00 「Javaの3次元API」World Wide Woo:
|>                 Graphics and Java Consulting &Training Mason Woo

この日のハイライト、Fahrenheit と違って今すぐ試せるシーングラフ API の一方の
変革者・Java 3D のデモです。
今までのシーングラフ API、たとえば Open Inventor などとはかなり変わっています。
詳しく書けませんが、Java 3D の原理を理解しないとコーディングはかなり難しそう
です。
Mason Woo 氏も「アニメーションは難しいのでまず静止画からやってみてください」
と言ってました。

あと、Java 3D アプレットですが、JDK 1.2 の AppletViewer で動くようです。
Java 3D を始めとする Java Madia Framework は、Netscape や Microsoft の
Java VM に左右されることが無いように、Java Activator (Java Plug-in) 上
でどんどんサポートされて行きます。

感想: Fahrenheit がかなり分かって来た。
      これからはシーングラフベースにどんどん移行してくでしょう。

      Delphi の人は Fahrenheit を、Java の人は Java 3D を使いましょう。

      Java を使う人は、Java VM に振り回されないように Java Plug-in を
      使いましょう。

                              98/6/18(Thu) 00:38pm  LDI04722 y.endo
=====================================================================
転載終了
---------------------------------------------------------------
           遠藤靖之 (えんどう やすゆき)
   E-mail: yasuyuki@xxxxxxxxxx
      URL: http://members.aol.com/Eyasuyuki/ (Java互助会ホームページ)
〒171-0022 豊島区南池袋 2-14-10 瀬川池袋ビル 3F
           (株)エムティシー 技術営業部
       TEL 03-5396-0521 / FAX 03-5396-0525