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[jfriends] Re: 「オブジェクト指向システム分析設計入門」読了




>絶版になった、青木淳「オブジェクト指向システム分析設計入門」SRC刊 を読了しました。
>感想は後で書きます。

まず、この本は Java 以前に書かれた本です。著者は主に SmallTalk を想定して
書いたのではないかと思われます。

 > 〜オブジェクト指向の基礎から解説する〜
 > オブジェクト指向システム分析設計入門
 > 
 >  著者名    : 青木 淳 著 
 >  装丁      : A5判・ハードカバー製,218ページ
 >  価格      : 定価:本体3,787+税
 >  初版発刊日: 1993年2月10日
 > 
 >                                目次
 > 
 >       第1章 狭義のオブジェクト指向 
 > 
 >       1.1   なぜオブジェクト指向か 
 >       1.2   オブジェクト指向の流れ 
 >       1.3   抽象データ型(オブジェクト) 
 >       1.4   インヘリタンス(継承) 
 >       1.5   ポリモルフィズム(多相) 
 >       1.6   オブジェクト指向への準備 
 >       1.7   言語,環境,資産 

このあたりは割と普通のオブジェクト指向の解説です。

 > 
 >       第2章 広義のオブジェクト指向 
 > 
 >       2.1   オブジェクト指向と認知 
 >       2.1.1  理解の三つの秘訣 
 >       2.1.2  オブジェクト指向の三つの秘訣 
 >       2.1.3  外延と内包(スーパクラスとサブクラス) 
 >       2.2   オブジェクト指向と比喩 
 >       2.2.1  換喩,提喩,隠喩 
 >       2.2.2  直喩と隠喩 
 >       2.2.3  隠喩は多段の提喩 
 >       2.3   機能主義と構造主義 

このへんがこの本の変わってるところでしょう。
オブジェクト指向の本で、構造主義に触れた本はあまり無いと思います。

 >       2.4   オブジェクトの永続性と抽象性 
 >       2.5   オブジェクト指向の目指すところ 
 > 
 >       第3章 オブジェクト指向によるシステム分析設計法 
 > 
 >       3.1   今までの分析設計法をまとめて 
 >       3.1.1  機能に着目する技術 
 >       3.1.2  情報の流れに着目する技術 
 >       3.1.3  実体と関係に着目する技術 
 >       3.1.4  事象と状態に着目する技術 
 >       3.1.5  ソフトウェア開発の三つの秘訣 
 >       3.1.6  最近の傾向 
 >       3.2   ラウンドトリップとスパイラル 
 >       3.2.1  ラウンドトリップ 
 >       3.2.2  スパイラル 
 >       3.3   構造・事態・機能 
 >       3.3.1  構造(オブジェクトモデル) 
 >       3.3.2  事態(ダイナミックモデル) 
 >       3.3.3  機能(ファンクショナルモデル) 
 >       3.4   分析・設計・作成 
 >       3.4.1  分析(切断) 
 >       3.4.2  設計(接続) 
 >       3.4.3  作成(例証) 
 >       3.5   オブジェクト指向とGUI 
 > 
 >       第4章 オブジェクト指向の評価と見積り 
 > 
 >       4.1   オブジェクト指向の技量 
 >       4.2   評価の三つの指標 
 >       4.2.1  汎化−特化構造の指標(HF) 
 >       4.2.2  全体−部分構造の指標(RF) 
 >       4.2.3  ポリモルフィズムの指標(PF) 
 >       4.3   三つの指標の相関関係 
 >       4.4   あるプロジェクトについて 
 >       4.5   評判と人気 
 >       4.6   予測と費用そして見積り 

この4章がこの本の白眉かも知れません。
オブジェクト指向システムを定量的に評価する試みが
なされています。

 > 
 >       第5章 オブジェクト指向を支援する道具 
 > 
 >       5.1   Hyper Media Based CASE Tools 
 >       5.2   道具の良さとは 
 >       5.3   今どんな道具を利用しているか 
 >       5.4   今までの道具で対応できない点 
 >       5.5   オブジェクト指向的な道具 

ここでは、「オブジェクトの気持ちになって開発できるツールは少ない」
という意見か書いてあります。

 >       5.5.1  検索と編集 
 >       5.5.2  作成者と送信者 
 >       5.5.3  概 観 
 >       5.5.4  検 査 
 >       5.5.5  まとめて 
 > 
 >       第6章 オブジェクト指向を支援する環境 
 > 
 >       6.1   作業環境の変遷 
 >       6.2   環境の影響 
 >       6.3   ある試み 
 >       6.4   進化と再組織化 
 > 
 >       第7章 オブジェクト指向を支援する組織 
 > 
 >       7.1   オブジェクト指向で何が変わるのか 
 >       7.2   勢力構造とウォークスルー 
 >       7.3   組織内の意識ギャップ 
 >       7.4   プロジェクト体制と管理 
 >       7.5   ソフトウェア開発組織論(時を切ると時を流す) 

この組織論もすごく面白いです。

 >       7.5.1  ある町を知るには(地図と接触) 
 >       7.5.2  物理の世界では(位置と運動量) 
 >       7.5.3  ソフトウェア開発では(構造と機能) 
 >       7.5.4  生物学の世界では(目と耳) 
 >       7.5.5  仏教の世界では(金剛界と胎蔵の曼茶羅) 
 >       7.5.6  ソフトウェア開発組織とテクニカルマネージャ 
 >       7.6   オブジェクト指向的社会学モデル 
 >       7.6.1  個人と社会(オブジェクトとクラスライブラリ) 
 >       7.6.2  ネットワークコミュニケーション 
 >       7.6.3  最後にもう一度オブジェクト指向 
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遠藤靖之 (えんどう やすゆき) <yasuyuki@xxxxxxxxxx>
http://www.freepage.total.co.jp/jfriends/ (Java互助会ホームページ)
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